研修内容report

神道夢想流杖道と付随武術

 当会では,神道夢想流杖道と5つの付随武術の合計6つの形武道を研修しています。

杖道について

形武道とは?

 形武道とは,一般に攻撃と防御を合理的に組み合わせた「決められた形」を繰り返し稽古するものである。剣道のように直接打ち合うことがないため,老若男女問わずそれぞれの年齢や体力に応じた稽古が可能である。

杖道とは?

 杖道は「杖」と「太刀(木刀)」を用いて行う形武道で,杖は長さ四尺二寸一分(約128cm),直径八分(約26mm)の丸い樫の棒である。ちょうど両手を広げた中に程良く入る長さとなっており,斬り込んでくる太刀に対して「突く・払う・打つ」等の技を左右均等に繰り出すことが出来る。

初心者の進度について

 初心者の方が入門して稽古を始めた場合,まずは,「立礼,座礼等の礼儀作法全般」,「武具の名称,持ち方等」を覚えてもらい,続いて杖に慣れ親しんでもらうために「杖道体操」を行います。

 杖道体操と平行して,「構え」「基本動作」を少しずつ稽古していきます。基本動作がある程度身につくのには,半年から1年程稽古する必要があります。

 基本動作が身についてきたら,徐々に「特殊技」「表」等の形に入っていきます。表の前半6本(太刀落〜右貫)まで進むのには,だいたい入門から2年程かかります。

 その後は進度に応じて表の後半,中段,乱合と進んでいきます。

 なお,ここに示した期間は目安であり,人によって進度は異なります。当然,多く稽古して修得が早い人は,進度も早くなります。

 また,鎖鎌術や十手術等の各種武道は,ある程度杖が身につかないと困難であるため,最初は必ず「杖道」を稽古することになります。

免許・目録制度

 当会では,全日本剣道連盟から認定される「称号・段制度」とは別に古来からの伝統を引き継ぐ「免許・目録制度」を実施しております。

 免許・目録を得るために明確な基準や試験があるわけでなく,師範が「見合った実力がついた」と認めた場合にのみ伝授されます。そのため,最初の奥入證に到達するまで10年近くかかることも少なくありません。

 免許を伝授されるということは「師範として認められる」ということと同じ意味を持つため,誰でも続けていれば免許を伝授される訳ではありません。技及び人間性に優れた人のみ,免許の伝授が許されます。

奥入證

 表,中段,乱合,影,五月雨,五本の乱まで習い,奥伝の一本目を習うことが許可された証。

初目録

 奥入證伝授後,奥伝を全て習い,更に技を磨き,表・中段を指導することが許可された証。

後目録

 初目録伝授後,更に技を磨き,影・五月雨を指導することが許可された証。

免許

 後目録伝授後,更に技を磨き,表から奥伝までの全ての技を指導することが許可された証。
 技だけでなく人間性も認められることが必要。

免許皆伝

 免許伝授後,五夢想まで伝授された証。

神道夢想流杖道



神道夢想流とは?

 「神道夢想流」は杖道の流派の1つで,約400年前に「夢想権之助勝吉」が創始したと言われている。昭和初期には警視庁に採用され全国に普及し,現在では年齢・性別問わず楽しめる生涯武道として,国内はもとより海外にも多くの愛好者を持つに至っている。

基本技

 杖道において最も重要となる基本の技で,単独動作と相対動作に分かれている。この後の形は全て「基本技の組み合わせ」であり,当会でも最も時間をかけて稽古する部分。
  ・本手打(ほんてうち)
  ・逆手打(ぎゃくてうち)
  ・引落打(ひきおとしうち)
  ・返 突(かえしづき)
  ・逆手突(ぎゃくてづき)
  ・巻 落(まきおとし)
  ・繰 付(くりつけ)
  ・繰 放(くりはなし)
  ・体 当(たいあたり)
  ・突外打(つきはずしうち)
  ・胴払打(どうばらいうち)
  ・体外打(たいはずしうち)

特殊技

 これらの技は目録にはないが,初心者でも簡単に修得でき,極めて実戦的な効果がある技。
  ・打落(うちおとし)
  ・水月(すいげつ)
  ・斜面(しゃめん)

 杖の基本的な使い方の修得を目的とした形で,体の運用と技の操作に変化が多いのが特徴である。基本技を念頭に置いて,正確さを心がけて稽古する必要がある。
  ・太刀落(たちおとし)
  ・鍔 割(つばわり)
  ・著 杖(つきづえ)
  ・引 提(ひっさげ)
  ・左 貫(さかん)
  ・右 貫(うかん)
  ・ 霞 (かすみ)
  ・物 見(ものみ)
  ・笠ノ下(かさのした)
  ・一 礼(いちれい)
  ・寝屋ノ内(ねやのうち)
  ・細 道(ほそみち)

中段

 杖における体の運用の修得を目的とした形で,全般的に動きが激しく豪快な技が多い。充分気力を充実させて稽古するのが望ましい。
  ・一 刀(いちりき)
  ・押 詰(おしづめ)
  ・乱 留(みだれどめ)
  ・後杖 前・後(うしろづえ)
  ・待 車(たいしゃ)
  ・間 込(けんごめ)
  ・切 懸(きりかけ)
  ・真 進(しんしん)
  ・雷 打(らいうち)
  ・横切留(よこぎりどめ)
  ・払 留(はらいどめ)
  ・清 眼(せいがん)

乱合

 神道夢想流杖道の組形を総合的に連結して一つの形にしたもの。時間的にも一番長く,実戦的な組形である。
 ・大太刀ノ乱合(おおだちのらんあい)
 ・小太刀ノ乱合(こだちのらんあい)

 個々の名称は表業と同様であるが,技の内容には格段の相違がある。体捌きや杖の使い方に特別のスピード感はないが,静と動,緩と急,或いは呼吸法に相当の技量を必要とする形。
  ・太刀落(たちおとし)
  ・鍔 割(つばわり)
  ・著 杖(つきづえ)
  ・引 提(ひっさげ)
  ・左 貫(さかん)
  ・右 貫(うかん)
  ・ 霞 (かすみ)
  ・物 見(ものみ)
  ・笠ノ下(かさのした)
  ・一礼 前・後(いちれい)
  ・寝屋ノ内 前・後(ねやのうち)
  ・細 道(ほそみち)

五月雨

 技は単純であるが,心・技・体が一致しなければ完成しない高度な形。
  ・一文字(いちもんじ)
  ・十文字(じゅうもんじ)
  ・小太刀落(こだちおとし)
  ・ミジン(みじん)
  ・ミジン 裏(みじん うら)
  ・眼ツブシ(がんつぶし)

五本の乱

 昭和15年頃,神道夢想流杖道25代・故清水隆次師範が中心となり,数多くの技から選出して組み合わせ,総合的に連係して制定された形。技の内容,杖捌きはもちろんのこと,体の運用も連続的で動きも早い。
  ・太刀落ノ乱(たちおとしのみだれ)
  ・左貫ノ乱(さかんのみだれ)
  ・間込ノ乱(けんごめのみだれ)
  ・霞ノ乱(かすみのみだれ)
  ・斜面ノ乱(しゃめんのみだれ)

奥伝(仕合口)

 杖道修行の最終段階における技で,基本,表,中段,影,五月雨と順を経て修行し,心技ともに一定の境地に達した者だけに伝授される形であり,伝授の域に達するまでには相当の年月を要する。
  ・先 勝(せんがち)
  ・突 出(つきだし)
  ・打 付(うちつけ)
  ・小手留(こてどめ)
  ・引 捨(ひきすて)
  ・小手搦(こてがらみ)
  ・十 手(じって)
  ・見 返(みかえり)
  ・阿 吽(あうん)
  ・打 分(うちわけ)
  ・水 月(すいげつ)
  ・左右留(さゆうどめ)
  ・八通大太刀(やとおりおおたち)
  ・四通小太刀(よとおりこだち)

秘伝極意(五夢想)

 神道夢想流杖道を長年に渡って修行し,専門的立場にある者で,しかも人格・識見・指導能力等が十分に完成されて「免許」を伝授された者のみに伝えられる形。
  ・闇打(やみうち)
  ・夢枕(ゆめまくら)
  ・村雲(むらくも)
  ・稲妻(いなずま)
  ・導母(どうぼ)

神道霞流剣術



神道霞流剣術とは?

 真壁城(茨城県桜川市)第十八代城主真壁久幹によって創始され,その家臣の桜井大隅守吉勝が夢想権之助勝吉に伝授したと言われている。現在では神道夢想流杖道の併伝武術の1つとして伝えられている。
 神道霞流剣術は「太刀(木刀)」を用いて行う形武道であり,斬り込んでくる大太刀に対して,大太刀や小太刀で応じる形が伝えられている。

・相忖 左 (あいそん ひだり)
・相忖 右 (あいそん みぎ)
・鷲    (じゅう)
・乳拂   (ちばらい)
・左輪   (さりん)
・受流   (うけながし)
・二刀合  (にとうあい)
・摺込   (すりこみ)
・咽中   (いんちゅう)
・受返   (うけかえし)
・三受留  (みうけどめ)
・突出   (つきだし)

一心流鎖鎌術



一心流鎖鎌術とは?

 今から約六百年前,我が国武道史の源流をなす念流の始祖として名高い「念阿弥慈恩」によって創始されたと言われている。現在では神道夢想流杖道の併伝武術の1つとして伝えられている。
 一心流鎖鎌術は,鎌と分銅を鎖で結んだ「鎖鎌」と「太刀(木刀)」で行う形武道である。斬り込んでくる太刀に対して,鎖を巻き付けたり,鎌で斬ったり,分銅を投げたりして応じる技が伝えられている。

表術

・居敷  (いしき)
・添身  (そえみ)
・羽返  (はがえし)
・無眼  (むがん)
・十文字 (じゅうもんじ)
・振込 前(ふりこみ まえ)
・振込 後(ふりこみ あと)
・磯ノ波 (いそのなみ)
・巻落  (まきおとし)
・三所詰 (みところづめ)
・浮舟  (うきふね)
・袖搦  (そでからみ)

裏術

・居敷  (いしき)
・添身  (そえみ)
・羽返  (はがえし)
・無眼  (むがん)
・十文字 (じゅうもんじ)
・振込 前(ふりこみ まえ)
・振込 後(ふりこみ あと)
・磯ノ波 (いそのなみ)
・巻落  (まきおとし)
・三所詰 (みところづめ)
・浮舟  (うきふね)
・袖搦  (そでからみ)

奥組仕合

・前 (まえ)
・後 (うしろ)
・右 (みぎ)
・左 (ひだり)
・槍合わせ (やりあわせ)

長柄の鎌

口伝とする。

一角流十手術

一角流十手術とは?

 流祖は「松崎金右衛門重勝」。十手の起源は室町時代中期から末期と言われており,江戸時代には犯罪人を捕まえるために大いに活用された。現在では神道夢想流杖道の併伝武術の1つとして伝えられている。
 一角流十手術は,金属製の「十手」および「鉄扇」と「太刀(模擬刀または木刀)」で行う形武道である。斬り込んでくる太刀に対して,十手で受けたり打ち込んだりして応じる技が伝えられている。

表技

・右 劔(うけん)
・左 劔(さけん)
・残 劔(ざんけん)
・蹴上劔(けあげけん)
・一亂劔(いちらんけん)
・入身劔(いりみけん)
・一風劔(いっぷうけん)
・目當劔(めあてけん)
・右刀劔(うとうけん)
・五輪劔(ごりんけん)
・一聲劔(いっせいけん)
・霞 劔(かすみけん)

裏技

・右 劔(うけん)
・左 劔(さけん)
・残 劔(ざんけん)
・蹴上劔(けあげけん)
・一亂劔(いちらんけん)
・入身劔(いりみけん)
・一風劔(いっぷうけん)
・目當劔(めあてけん)
・右刀劔(うとうけん)
・五輪劔(ごりんけん)
・一聲劔(いっせいけん)
・霞 劔(かすみけん)

内田流短杖術



内田流短杖術とは?

 明治時代,神道夢想流杖道の歴代師範の一人である内田良五郎によって創始された。通称ステッキ術と呼称され,護身術としても重宝されている。現在では神道夢想流杖道の併伝武術の1つとして伝えられている。
 内田流短杖術は,約90cmの「短杖」と「太刀(木刀)」で行う形武道である。杖道と同じく,斬り込んでくる太刀に対して,「突く・払う・打つ」等の技を左右均等に繰り出すことができる。

・小手 左(こて ひだり)
・小手 右(こて みぎ)
・捨身  (すてみ)
・繰付  (くりつけ)
・後杖  (うしろづえ)
・水月 左(すいげつ ひだり)
・水月 右(すいげつ みぎ)
・斜面 左(しゃめん ひだり)
・斜面 右(しゃめん みぎ)
・拳摧  (こぶしくだき)
・脛摧  (すねくだき)
・入身  (いりみ)

一達流捕縄術

一達流捕縄術とは?

工事中

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